「義」か「利」か

みなさん、こんにちは

フリースクールプロローグです。
先日、始業式を行い校長の話の中で「義」についての話がありましたので今日はその話をご紹介したいと思います。



【義】ってどういう意味か…ここから校長の話が始まりました。
「【義】とは人として正しいこと。そして反対の言葉に損得で物事を考える【利】がある。
人は行動するときに大きくわけるとこの【義】か【利】どちらかを選んで行動している。もしくはなにも考えずに行動をするか(笑)
つまり義の行動は善悪、人として正しいことを大切にして選ぶのに対して利の行動は、自分にとって損得かで考えて選んでしまうことである。
人は大人になるにつれて【利】で物事を考えるようになってくる。それはある意味大人になることなのかもしれん。」
そして、こう続けます…
「でも先生はみんなには、不器用でも、人に何を言われようとも【義】で生きてほしい。
正しい生き方をすると周りに正しい生き方をした人が集まってくる。逆に利の生き方をしている人は離れていく。
そして正しい生き方をしている人が集まった集団ではどん底に落ちた時、助け合うことができる。
荘子の「利を以って合する者は、窮禍患害(きゅうかかんがい)に迫られて相棄つ」「天を以って属する者は、窮禍患害に迫られて相収む」という言葉にあるようにこのことは国を超えて、時代を超えて大切なことである。」
最初は【義】という言葉がピンと来ていない生徒たちでしたが徐々に分かっきたようで話に聴き入っていました。

「みんなは不登校の経験をしてきている。同級生の他の同級生よりも苦しんでいる。人の痛みも心もすごく分かっている。だからこそ【利】に走らず。【義】で生きていきていったら必ずそれを分かってくれる仲間が集ってくる。特に3年生は卒業したら学校や就職先で色んなとこで人と交わることが多くなる。迷ったら必ず義で生きなさい。そこで一時的に損をしても必ず長い目で見たら同じ志を持った仲間が集まってる。
時々自分の中で利の行動をとってないか振り返りながら義の生き方を貫くことの大切さを心にとめてください。」



すると校長はペンをもってホワイトボードに向かうと一つ教えといてあげようとホワイトボードを使って説明を始めます。
「上杉謙信は武将の中で先生が一番好きな武将で、戦国時代に一度たりとも天下取りに参加せず越後の領地、領民を守ることに専念した人である。そんな上杉からの包囲網のために今川・武田・北条はお互いに攻めあわないという三国同盟を結んでいたが、桶狭間の戦いで織田信長に敗れ弱っている今川に対して武田は条約を破って今川を攻めるという利の行動を行った。それに対して今川・北条は海がなく塩が手に入らない武田に対して塩を送るのをやめた。その話を武田と敵対している上杉が聴いて「塩留(止)め(塩を送らない)の戦は武田の領民が困るそんな戦は義に反する」と武田に対して塩を送るという義の行動を行った。敵に塩を送るって言葉はここが語源。物事には敵味方、利益はあってもそれよりも大事なことがある。人として大事なこと、人として正しいこと、このまっとうにいきる生き方をもつことが大切だという一例です。
行動を義で選ぶか利で選ぶかを決めるのは自分。選んでやった責任を取るのが大人。3年生は社会人になったら4月から自分で決めたことを自分で責任を取る。その決める判断基準に義と利がある。そういうことを日々自分で考えて行動する力をつけてほしい」と言われました。


この話の後生徒たちは、「俺のこの行動は義だと思う、でもあれは利だったかもしれん。」等互いに話しながら早速義について考えていました。

そんな新年からの行動の仕方を考えさせられる始業式の話でした。


一日1ミリ、みんなと共に...

 

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